北九州

昔は国鉄に周遊券という割引切符があった。何種類か合ったウチのミニ周遊券だったかエリア周遊券だったか、そういうのがあって、周遊券より狭いエリアを、急行自由席まで自由に乗ることができた。撮影に出かけるときはそれで行っていた。山陰の周遊券は結構範囲が広くて、西日本+北九州も回れた。それで、山陰に撮影に行った流れで1日だけ北九州に初めて行った。益田あたりから下関行きの夜行列車に乗ったように思う。朝方下関に着き、そこから行橋経由で田川線に行った。

関門トンネルを通るのも初めてだし、そもそも九州に渡るのが初めてだった。
当時は、北九州はまだ直方を中心にかなりのSLが残っていたように思う。筑豊本線に行きたかったのだが、段取り的に効率が悪く、仕方なく田川線から直方周辺を経て夜に若松機関区に行った。当時有名だった折尾駅は見れなかった。しかし、有名な油須原や直方、後藤寺線、若松のD60などを撮ることができたのでコスパは良かったかも知れない。残念だったのは、油須原で貨物が運休になり、短期で通過したことと、もう1本ちゃんときた列車は、なぜかちゃんと撮れてなかった。

若松機関区の後に小倉からまた夜行列車で出雲市まで行き、そこから付近のC57等を撮って帰途につく予定だった。しかし、夜行の急行「さんべ」が超満員で、通路にまで座り込んでいる人がいた。僕たちは床にさえ座ることができず、夜に小倉を発ってからずっと立っていた。もう出雲市に着く随分手前から私自身が、足の裏が痛くて歩けそうでなくなり、友人に出雲市以降の予定を切り上げて先に帰る旨を告げた。痛くてもう耐えられなかったのを良く覚えている。
すると友人もダメージを受けていたのか賛同し、帰りはどうせだからと伯備線を特急「やくも」で岡山まで行き、新幹線で快適に帰ってきたのだった(笑)神戸には、昼頃着いたかも知れない。

初めて乗るディーゼル特急「やくも」は快適で、しかも数年前までSLが走っていた布原や新見を通るので、目を皿のようにして帰ってきた(2年前に布原に行った)。当時の「やくも」は、ファンの多いキハ181系で大喜びのはずなのに、その写真が1枚もない。急行「さんべ」でのダメージがよほどだったのであろうと思う。元気な中学生でも耐えがたかった。しかし、戦後の復員列車などは、あんなレベルではなかったのだろうが。なお写真の順番は、記憶がむちゃくちゃなので、めちゃくちゃです(笑)